美女とコーヒーの出てくる本を紹介します

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美女と美味しいコーヒーのある本をご紹介

家飲み推進連合会入会のしおり

 今週のお題「家で飲む」と。私は何を隠そう家飲み推進連合会の一員である。家飲み推進連合会とは「お店で飲むより経済的に優しいから」を理念に月に4〜5回は呑んだくれることを目標とした者たちの集まりである。いくら経済的に優しくても頻繁に開催されては辛いものがあり、月末にはお金が足らないと困窮することが会員全員の悩みであった。それでも推進連合会員は家飲みの言わば専門家であり、初代会長はこれを『宅飲み(Takunomi)』と名付けたらしい。現在は全国にこの用語が広まった。

 私は新参者ではあるが、立派な家飲み推進連合会員を自負している。そのためには『家飲み』の一家言に飽き足らず2~3家言持ち合わせていなくては示しが付かないというものだ。家飲みの大きな利点として経済的に(一回あたりの経費は)優しいことは既に述べた。次に特筆すべきこととして、親密な仲間内の会合であれば自由にコロコロと横になり、酔いに身を任せ夢世界へ赴くことも可能なのだ。お酒は人を笑い上戸、泣き上戸と変身させるが、私の場合は麗しい眠り姫になるらしく、自由に横になれる場所というのは非常にありがたかった。もしこれがお店であるなら、そんな無防備な姿を晒すわけにいかずにメトロノームよろしく体を揺らし続ける羽目になる。

 家飲みの素敵要素に関して、読者諸君は既に籠絡寸前であることは手に取るようにわかる。だがしかし、中にはまだ私の誘惑に反発して「お店の方が美味しいし」とのたまう反家飲み主義者が隠れていることもお見通しである。心して傾聴せよ。家飲みではトランプゲームやテレビゲーム、漫画といった娯楽をも楽しむことができる。これはまさに至高と嗜好のハイブリッド的誘惑であろう。反主義者といえど、これに抗うことは出来まい。私は拳を掲げ勝利を確信する。肋骨を押し拡げるように息を吸い、喉に力を入れ一瞬の静寂を作る。直後、遠くの大衆にも届くよう声高らかに叫ぶのだ。「誰か家飲みのために、お部屋を提供してください。私の部屋ですか?嫌ですよ。散らかされるのはごめんです。」