美女とコーヒーの出てくる本を紹介します

bookyaの本の紹介

美女と美味しいコーヒーのある本をご紹介

今更な、北北西に曇と往け 1

~雨あがりの朝、探偵業の後の一杯~

今更、北北西に曇と往け(入江亜季)を読んでみる。

f:id:bookya:20190330104734j:image

 青い空、碧い道、蒼い草木と山々。初冬の日の透き通った空気の中でこちらを睨む視線。表紙を見たときに惹かれたのは、そんな色使いに感嘆したからです。舞台はアイスランド、北緯64度のランズ・エンド

 酒と煙草と女が苦手。祖父から譲られたクルマとコーヒーと肉が好物な青年の物語。

 主人公–御山慧(みやま けい)は17歳。祖父との二人暮らしである。幼少期は日本で過ごしたらしい。短身のわたしと違って、外国人とのハーフな彼らは長身で精悍な顔つきと実に羨ましい限りである。

 そんな彼には親友以外には教えていない秘密がある。それは『クルマと話ができる』というこ。彼はその力を生かし、尋ね人や野良猫探しなどの探偵業に勤しんでいる。相棒は祖父から譲られた愛車のジムニー。どこに往くのも二人であるから寂しいことはない。

 コーヒーである。とにかく慧はコーヒーを好みよく飲む。もはや10ページに一度は飲んでいるのではと錯覚してしまうほどである。ジムニーの中には車中泊用のマットや毛布、着替え、コーヒーの粉が常備されている。広い荒野での早朝、コンパクトなガスバーナーで沸かした水でコーヒーを入れる。その味たるや語るまでもない。美味である。

 

 電子書籍版           単行本