美女とコーヒーの出てくる本を紹介します

bookyaの本の紹介

美女と美味しいコーヒーのある本をご紹介

今更な、しあわせのパン

~焼きたてのパン、手作り料理、一杯の珈琲~

今更、しあわせのパン(三島有紀子)を読んでみる。 この作品は2012年に公開された映画の原作となる。舞台は北海道の月浦。

 

 主人公−水縞(みずしま)くんと奥さんのりえさんは北海道の月浦という場所でカフェ・マーニを経営している。カフェの一階は珈琲や軽食などを楽しむことができ、二階は遠方からのお客様が宿泊できるようにベッドやシャワールームが備わっているようだ。木造でどこか安心感を与えてくれるカフェに足を踏み入れれば、水縞くんが今朝方に焼いたパン、りえさんが作った季節の野菜の料理、そして珈琲の香りが体を包む。物語では様々な問題を抱えた来訪者がカフェの扉を開くことになる。険しい顔をした彼らだが扉をくぐると一瞬、顔の力が抜けるのがわかる。これはカフェを営む二人の笑顔のせいか、それとも「いらっしゃい」の声が明るくも落ち着きを払ったトーンだからか…文章や映像からでも伝わる感覚を私は「魔法」というほか表現ができない。

 月浦は月がとても、大きくみえるそうだ。自慢の月を堪能するために、カフェには丸い大きな窓がつけられた。窓からは月の他にも大きな湖を眺めることができる。それもまた、我々に特別な力を与えてくれそうな気さえする。

 余談であるが、このカフェは実在している。気になる方は是非調べると良い。カフェの場所は北海道の月浦。